「〝出会ってはいけない〟。
じゃあ〝出会ってしまったら〟?
それは大罪だということしか伝えられていない」
彼が言いたいことは私には分からなかった。
ただ、彼は泣きそうな顔をしているように思えた。
笑っているはずなのに悲しそうな彼を見ていると、私までもがその感情に引き摺られてしまいそう。
何故か、彼の話を他人事とは思えなかった。
「王と女王なのに、彼らにルールが課せられる。
不思議な話だろう?」
フワリと私の頭上に移動すると、さっきの表情は嘘みたいにまた怪しい笑みに戻っていた。
「今、お前がいる領土は〝女王の側〟だよ。
雨、王の側の人間に気を許してはいけないよ」
彼の言葉は天邪鬼のように聞こえた。
そのまま、霧に包まれていなくなった。
それと同時に私も目を覚ました。

