その人はただならぬ威圧感を放ちながら、大広間をぐるりと見渡して、私に目を止めた。
ここにいる全員が先程の雰囲気とは違い、身構えていた。
きっとこれが皆の〝裏〟の部分の一部なんだろう。
それでも私はさして気にすることなく、威圧感漂うその人を見ていた。
眉間の皺は土方歳三よりも深く刻まれていた。
少しお酒の匂いもする。
顔がほんのり赤いのはそのせいだろう。
「緋い髪か。
そいつがお前達の言っていた〝妙な女〟か」
嘲笑うように私を見て笑った。
私は何の反応も示さなかった。
彼は嘲笑を止め、私の前に来た。
座っている私は彼を見上げる。
「……女ならばもう少し女らしい反応をしろ」
似たようなことを土方歳三に言われたことがある。
私にはまだそれは分からない。

