どうしてか、痛くなる胸を鷲掴んだ。
紡いでいく言葉に自分の中の感情が晒されていく。
自分が分からなかったことが暴かれていくごとに、胸がキリキリと痛む気がした。
でも……悪い痛みじゃないと思えた。
「私は……1人だった、ずっと。
親だって居ない。
もしかしたら捨てられたのかもしれない。
それでも、嫌いだった髪を捨てられなかった。
嫌いなのに、親のいない私には唯一の親との繋がりだと思ったから……!」
悲鳴のようなその声は、自分で聞いたのも初めてだった。
……そしてこの髪は、あの人が…〝切るな〟って言ったから……。
「私は………傷つかないように…結局、…嫌いなはずのものに縋ってでも自分を……守ってきたんだ」
その言葉は自分の中にストンと落ちてくるように、私の中でピッタリとはまった。
あぁ……、なんだ…。
胸を掴んでいた手の上に長くて赤い髪を乗せた。

