拾われた猫。




「ずっと……自分の存在意義が分からなかった。

親もいない、唯一育ててくれた人も私を置いていなくなった」



あの人は何も教えてくれなかった。



でもただ、〝見て覚えろ〟って言ってたから。


だから全部覚えた。


あの人がしていたこと、剣術や暗器の使い方も全部見て覚えた。



でも置いていかれた。


あの人は私を置いていった。




「必要とされない私はどうすればいい?

私の存在は何なの?

小さい頃は考えていたけど、いつの間にか考えることもなくなった。

ただ依頼を受けて刀を振るうことで存在意義を確かめていた」



自分から流れる血が生きていることを証明した。


自分から出てくる痛みが私を作っている。


そう思っていた。




「ここに来てあんたらを見てきた。

……羨ましかった…んだと思う。

必要とかそういうのじゃなくて、あんたらはただ当たり前みたいに一緒に居て…笑ってた」