「そんなことより、ここ使いたいんだけどいい?」
沖田総司は急かすようにそう言う。
「あぁ、もうすぐ終わろうと思ってたしな」
平助が隊士たちに解散を告げると、隊士たちはゾロゾロと散っていった。
そして道場には3人だけになった。
さっきまで狭いと思ったのに、急に広く感じられる。
いや、きっと広いんだろうけど、人数がそれよりも多いんだ。
道場の様子をボーッと見ていた。
「ねぇ」
掛け声とともに何かを投げつけられて、反射的にそれを掴んだ。
カチャリと音を立てながら手にしたのは、強制的に預けさせられたはずの刀だった。
土方歳三が「念のため、武器になるものは預かっておく」と言っていたはずなのに。

