原田左之助が初めに抜けたことによって、宴会もお開きとなった。
香月雨を部屋に連れていったのは、やはり沖田総司だった。
一度、彼女を壁にもたれさせるように座らせる。
そして布団を敷いていた時だった。
「…左之は…どうして優しくするのかな……」
夢と現の狭間の彼女から出た言葉は、沖田総司の動きを一瞬止めた。
布団を敷き終わると、彼女を寝かせた。
彼は無邪気な寝顔を見ていた。
「……僕は、君が好きだよ」
届かない声は静かな空間にただ悲しく漂う。
彼女に顔を近づけ、残り数mmの所で止めた。
歯を食いしばる彼は静かに彼女の部屋を後にした。

