拾われた猫。





それから数日が経った。



ここに来た日以来、呼び出し以外で私が外に出ることは無かった。




障子のそばに座って、風に吹かれながら外を見るのが日課になっていた。



それ以外は何もしない。



そこにただ座っているだけ。




私にはいつも監視が交代でついていた。



変な動きをしないように見張っているんだろう。


何もしない私を監視している人たちは、つまらなく思っているかもしれない。




元に帰りたいとも思わないけど、ここに居座りたいとも思わない。


結果的に言えば、今までの暮らしに戻るのが一番いいんだろうけど、帰り方が分からない。




夢の男に聞こうにも、あの夢以来会うことは無かった。



何も分からないまま、ただ日にちだけが過ぎていく。