「取調役兼監察方の山崎丞<ヤマザキススム>と言う。
主に情報収集の任についている。
医療のことも少しなら覚えがある」
彼は私に刀を向けて牽制していた人だった。
色白で、短い黒髪がよく映えている。
藤堂平助と同じように童顔に見えるが、少しつり目のせいか、彼よりも大人びて見える。
「総長の山南敬助<サンナンケイスケ>です。
分からないことがあれば、なんでも聞いてください」
あの現場に斎藤一の前に立っていた眼鏡の人だった。
女の人のように美人で、穏やかに話す人だけど、何を考えているのか一番分からない。
ミステリアスと言えば聞こえはいいかもしれない。
「……俺が最後か。
土方歳三<ヒジカタトシゾウ>。
新選組副長だ。
いいか、俺が言ったことは必ず守れ」
威圧的な顔には、相変わらず深く皺が刻まれている。
彼のつり目が余計に威圧感を上乗せしている。
興味の無い私でも、あれでは皆怖がるだろうと思った。
一つ気づいたのはここに揃った人達は、整った顔が恐ろしく多いということだ。

