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何故か、面と向かって「頑張れよ」とは言えなかった。



あいつの事は妹分だと思っている。



助けてやりたいと思うし、守ってやりたいとも思う。


そのはずなのに…な。




角を曲がったところで壁にもたれかかる。



俺の中にそれ以上の感情は無い。



そう思っていた。



土方さんがあいつの手を掴んだ時、総司が後ろから抱きしめた時。



それらが頭の中を回って離れない。



何が、そんなに気になるのか。




「妹分だから…か?」



自嘲気味に笑い、部屋に戻ろうとすると後ろに総司が立っていた。



「うおっ!」


驚く俺に総司は満足そうに笑った。