拾われた猫。




屯所の奴らにも慣れて、どんどん明るくなっていくあいつを見てると眩しかった。




でも今思えばきっと、あいつは初めから優しかった。



目が覚めて総司に刀を向けられ、土方さんに睨まれた時、連れてきた俺くらいはあいつを庇わないとと思った。



土方さんの矛先が俺に変わった時、俺の肩を押して前に出た。



今回も皆の矛先が自分に向くように仕向けた。


あいつの無自覚な優しさにもう何回も救われた。


それはきっと俺だけじゃない。



あいつが笑ってくれる。


嬉しいはずなのに、最近はすごくもやもやする。



俺が笑わせてあげたい。


そう思っていつもあいつに会いに行く。



それはただの言い訳で、本当は……。



本当は……俺が嬉しいから会いに行くんだ。