拾われた猫。





その幸せも束の間。



総司は俺から香月を奪うだけでなく、牽制するように冷たい目で睨みつけた。




「もうそろそろ出ないと怪しまれますよ」



総司に正論を言われたからなのか、香月の冷たい手を思い出すせいなのか。



俺は何も言えずに2人を見ていることしか出来なかった。




「は…なして」



香月の小さな声と総司の悲しげな笑顔が何故か俺を安心させていた。



総司が出て行った後、俺も拷問室から出た。



部屋に返った後、自分の行動に疑問と後悔を覚えた。



「……くそっ…」



少しだけ目にかかった前髪をくしゃりと片手で握った。



机の上の書類が目についたが、心がざわついて手につかなかった。