拾われた猫。

◇◆◇◆◇




拷問室の中で俺の頬を包み込む手は少しだけ冷たかった。



恨んでくれてもいいと思った。



新選組のために俺は動く。


それ自体が俺の中では全てだ。



誰を斬ろうと、誰を悪者にしようと、自分自身が悪者になろうと。




「私を信じるって決めたんでしょ?

だったらそんな顔せずに待ってなよ」




無邪気に笑いかける香月は本当の意味で俺を許していたのだ。



俺自身も許せないところも構うことなく、頬を包む小さな手がとてつもなく愛おしく思えた。



離れていく手が寂しさを呼んだ。



たまらなくなってその手を掴んだ。


自分の手と香月の手の温度が少しずつ近くなっていく。



それだけで幸せだと感じる俺は、きっと頭がおかしくなったんだと思った。