私はどこに座ろうかと悩んでいたとき、土方という男が広間の中心を指さした。
そこに座れということなんだろう。
素直に座ると、話が進んだ。
「お前にはしばらくここに身を置いてもらう。
だが、完全に信じたわけじゃない。
屯所から外には出るな。
それと、男装してもらう」
その言葉とともに、ばさりと着物と袴が私の前に投げられた。
「これならお前も着られるだろう。
お前が女だということはここにいる奴らしか知らない。
士気が下がるのはこっちとしては避けたい。
女だということは言うな。
以上だ」
要点だけ言って、勝手に話を終わらせた。
別に聞きたいことがあるわけじゃないが、早足で話す彼の性格が伺える。

