拾われた猫。





道場を覗くと、新八が隊士に稽古をつけているところだった。



誰かに名前のアイデアを貰おうと思ったけど、真剣さに負けて話しかけるのは止めた。



次に向かったのは書物部屋だった。




「敬助」



綺麗な顔は本から私に向いた。



「香月くん、どうかしましたか?」



穏やかな口調が私の期待を大きくする。



敬助ならいい案を出してくれると思った。




「この子の名前を考えてるんだけど、何か無いかなって」



目を丸くして、顎に手を当てて考え込んでいた。




「…すみません。

何かの名前を考えるのは苦手でして。

タマなんかどうです?」



本気で言っているようだったので、苦笑いしか返せなかった。