拾われた猫。





「……ご飯ももらった」

「それ普通だからな」




沈黙の中で即座にツッコミを入れたのは、新八と呼ばれる男だった。




「……それは虐待…じゃないのかね?」



近藤と呼ばれる男がすこし顔を青くさせながら、険しい表情を浮かべていた。



「…生きる術は習った。

一人で何とか出来なければ、生きてはいけない。

私は…弱いことを許されない」



足元を見つめる。


あの人は私が弱いことを許さなかった。




一人で生きていけるように、一人でも大丈夫なように、私に色々教えこんだ。



殴ったり蹴ったりしたのはそのためだと思ってる。



ポンッと頭に手が置かれた。



そちらを向くと、レッドブラウンの彼は寂しそうに笑っていた。




「……話が済んだなら座れ」



土方と呼ばれる男にそう言われ、2人は座った。