拾われた猫。

◆◇◆◇◆




トシはスルスルと包帯を巻いてくれる。




「…ったく」

「ごめんって」



呆れて溜め息をつくトシ。



苦笑を浮かべながら謝るけど、機嫌は直ってくれない。




「何を急いでたんだ?」

「いや、別に急いでたわけじゃなくて…」



考えるだけで顔が熱を帯びてきた。




「香月?」

「いや…、その……」




その時、バッと障子が勢いよく開いた。




「雨!」 「雨ちゃん!」 「香月くん!」




それぞれ私の名前を呼んで息を切らしていた。



その後ろから一が気まずそうに顔を覗かせた。



「…手当の途中にすまない」



トシは更に呆れ、私は苦笑を返した。