拾われた猫。




あまり無理はさせられないと言われたので、ご飯を食べて帰ることになった。




屯所に向かって歩いている時だった。




路地の横を通り過ぎようとした時、ボロボロの着物の女性が倒れ込んできた。



「うぉっ、……女じゃねぇか」



左之は横たわる女の人を抱き起こす。



路地からはパタパタと逃げる足音が聞こえた。



追いかけようとしたけど、左之に腕を掴まれた。




「一人で行くなって言われただろ?」



私は素直に頷くと、女の人に近づいて傷を確認する。



酷く殴られたり、蹴られたりした痕が残っていた。




「さっきの人たち?」



私の質問に女の人は答えようとはしなかったけど、俯いて見えない表情が答えだろう。