町を見ることよりも気になることがあった。
チラチラと総司を見ていると、彼はそれに気づいてニッコリと笑みを浮かべた。
「僕の顔に何かついてる?
よそ見してると見逃すよ」
いつもの笑顔だったけど、違和感を感じる。
総司から目を離して町を見るけど、やっぱり彼が気になって仕方ない。
総司は「はぁ」と溜め息を漏らして私の腕を掴む。
戸惑いながらも抵抗せずに彼について行くと、甘味処に入った。
「あんみつ2つ」
「はいよ!」
総司は慣れたように頼むと、おばさんが元気よく返事を返した。
すぐ側の腰掛けに座ると、自分の隣とポンポンと叩くのでそこに座った。

