拾われた猫。




「香月、総司の巡回について行け」



唐突なトシの発言に目を丸くした。



「でも…、俺はトシの小姓だよ」

「とは言っても洗濯以外に仕事がねぇだろ」

「それはトシが全然任せてくれないせい」

「いいから行け」




軽口を叩きながら、私は腰を上げた。



総司には言ってあるそうなので、彼が待っている門に急ぐ。



総司は私に気づいて手招きをした。


小走りで総司に近づくと、私が最後だったらしく、出発した。



巡回というものに出てきたものの、実は何をしたらいいのか全く分からない。



今のところ総司や隊士達はバラバラになって街を歩いているだけだったので、それに倣う。



どうやら1人では歩かないように、何人かに分かれて町の見回りをするらしい。


私はとりあえず総司についていた。