拾われた猫。





「総司、甘味買ってこい」

「は?」

「金は俺の財布から出せばいい」



首を傾げながら納得のいかない顔をしていたが、甘味が好きな彼の足取りは軽かった。



「急げ」

「分かってますよ」



分かっていると言った割にはゆったりと歩いて行った。



「斎藤、水を持って来てくれ」

「…分かりました」



斎藤一は沖田総司と違い、素早く動いた。



座っているだけの気力がもう無いのか、原田左之助にもたれていた。



「限界だろ。

食うもん食わねぇと、体力も戻りはしねぇよ」



ボーッとしながらも、彼の言葉に首を横に振った。