拾われた猫。





憂いを帯びた彼女の体がゆらりと揺れた。



そうかと思えば、ぐらりとそのまま後ろに倒れる。


間一髪で原田左之助が受け止める。




「危ねぇ…。

大丈夫か、雨」


虚ろな目で見つめる彼女は、元より細かったのに更に痩せたことを誰よりも感じたのだった。



「あ…、大丈夫。

ごめん」



香月雨は窓枠を掴んで体を起こすと、また態勢を戻した。


体はひどく弱っていて、見るに耐えなかった。




「飯を食え」



土方歳三は香月雨の前にしゃがむ。


虚ろな目は土方歳三を向くが、彼を映しているのか。



またフラリと体が揺れたので、原田左之助が支える。