拾われた猫。




「副長、巡回が終わりました」

「あぁ、ご苦労だったな」



また机に向き直るが、筆が動く様子はない。



彼らもまた、その場から動こうとしなかった。




「何だ」


眉間に寄せた皺を深くしながら彼らに問いかける。


3人は顔を見合わせて苦笑いを浮かべた。



「副長。

気分転換も必要です」

「気になって手ぇつけられねぇみたいだしな」

「まぁ、土方さんが発狂しないように見守ってますから」



3人に言われてしまっては続けることも出来なかったのか、一時中断して屯所内を歩くことにした。



仕事を終えた彼らは何故か土方歳三について行っている。



ふと香月雨の部屋の前を通りかかった。


障子は半開きにされていたので、4人はちらりと覗いた。



彼女はいつもと同じ態勢で花を眺めていた。