その夜私はトシの部屋に向かっていた。
その時、大広間に灯が灯っていることに気づく。
気配を殺しながら近づく。
「芹沢さんの行動は目に余る。
上からも……忠告を受けている」
あの間はきっと……。
そのまま話を聞いていた。
幹部が全員集まっているところを見ると、確信せざるを得なかった。
「お前らも分かっていると思うが、あの人を野放しには出来ない。
悪いがあの人には……」
彼が言い終わる前に私は戸を開いた。
そこに居た全員がこちらを見た。
トシに至っては殺気すら放っている。
「香月、お前は謹慎中だ。
分かってんのか?」
トシだけじゃない。
皆敵を見るような目をする。
勇でさえ、渋い顔をしていた。