「……小競り合いに巻き込まれた」 トシはもっと眉間の皺を濃くした。 それは他の皆も同じだった。 「それはお前は無断で外出したという事だな」 ハッとして周りを見た。 他の人たちは苦虫を噛み潰したような表情をしている。 その表情に自然と目が見開いていく。 私は勘違いをしていた。 トシの小姓になったのは、皆が信じているからでも何でもない。 仲間に抱き込んだ方が監視もしやすいから。 「お前には3週間の謹慎処分を言い渡す」 皆当たり前のような顔で座っていた。 まるで決まっていたように。