「雨、腕の包帯はどうしたんだ？」
案の定、夕食を食べる前に気づかれてしまった。
丞は気まずそうにこちらを見ていた。
私は言葉の発信者である左之を睨みつける。
総司は我関せずと黙々と食べている。
トシをチラリと見ると、鬼の形相で私を睨みつけていた。
その横に座っている勇は心配そうに私の腕を見ている。
再び丞に視線を返すと、首を横に振った。
〝正直に言った方がいい〟。
そう言われているようだった。
私の視線につられるように自然と他の人の視線も彼を向いた。
無関係な丞を巻き込むわけにもいかず、ため息と一緒に言い訳をこぼす。
