拾われた猫。





夕方頃に屯所に戻った。



門の前には誰もいなくて助かった。



こんな傷は誰にも見せられない。



「着物…、縫おう」



切れた着物を見ていると、誰かの足音が聞こえた。



「香月くんか?」


そこに居たのは丞だった。


丞は私の怪我を見てギョッとした。



「どうしたんだ?!

君ほど強い人が傷を作るなんて…むぐっ!」



丞の口を塞いで周りに人の気配が無いのを確かめると、急いで私の部屋に連れ込んだ。



障子をパタリと閉める。



「丞、うるさい」

「すまない。

それで、どうしたんだ?」



眉間に皺を作って、心配そうに聞いてきた。