こういう人種は躊躇わずに、殺してきた。
違う。
依頼を受けた瞬間から、私はこういう人たちなんだと諦めていたのかもしれない。
刀を抜いたお父さんを前に、男は恐怖に震えていた。
町の人たちも最早見て見ぬ振り。
振り下ろされた時、梅姉さんは顔を背けていた。
あぁ、梅姉さんは慣れていたわけじゃないんだ……。
振り下ろされた刀は血飛沫を上げさせた。
「……!」
お父さんは目を見開いていた。
「これで許してくれる、お父さん」
私は殺気を込めることなく、出来るだけ優しい声音で名前を呼んだ。
梅姉さんもその場にいた周りの人も驚いていた。

