「あ、そう言えば聞きたかったんだが」
左之が思い出したように私の顔を見る。
槍を下ろして肩に手を置いた。
「お前、剣を教えてもらったのか?」
「そうだよ」
意外そうに「へぇ」と声を漏らす。
私は質問の意図が分からずに首を傾げる。
「お前の剣は型があるが、その時に応じて綺麗に崩してくるから。
我流って言うには綺麗すぎるし、流派って言うには自由すぎたからな」
私の頭を撫でて、「少し気になっていたんだ」と笑った。
それからトシに報告に行ってしまった。
私も洗濯の続きを始める。
〝教えてもらった〟。
それはちょっとだけ違う。
あの人は私に「見ろ」と言っただけ。

