拾われた猫。




障子の前に立つと、部屋の灯のせいで私の影が映った。



「香月か。

入れ」



一早く私の存在に気づいて、中に入れてくれた。



トシは机を向いたまま、私に話しかけた。



「どうした?」

「刀のお礼をしようと思って」



そう言うと、やっと私の方を向いた。



「気にするな。

刀が無けりゃやってけねぇだろ」


ポンッと私を撫でて笑った。



でも次の瞬間に真剣な表情に切り替わった。




「刀を持った以上、お前は男としての覚悟を決めろ。

それがお前をここに置く条件であり……」

「分かってるよ」



トシの言葉を遮って、私は両手を畳の上に置いて丁寧に座る。



「私……俺をここに置いてください」



トシはフッと笑って、また机に向いた。