「一くんまで口説いてるし」
「斎藤が女を口説くのは珍しいな」
怪しく笑う2人の標的にされてしまった一。
「…いや、違う!
…俺はだな……!」
左之は慌てて否定する一の首に腕をかけて、玩具を見つけたようにからかっていた。
本当に仲がいいんだ。
そうこうしているうちに、例の町外れの家に着いた。
「ここ?」
「…うん」
短く返事をして、玄関の方に向かう。
私たちが近づくと、玄関が開いてあの時の老人が出てきた。
「また来ると思っておったが、ゾロゾロとまぁ……」
フンッと鼻で笑うと、顎で中を指して入っていった。
ついてこいということなんだろう。

