「お前さんは動けるのか」



老人はこちらを振り向くことがないまま、妙なことを問いかける。



やがて一つの部屋の前に辿り着く。


重苦しい気はここから放たれていた。



老人が戸を開けると、先程の比じゃない気が体に刺さるようだった。


部屋の中には無数の刀や槍が置いてある。




「ここにあるのは全て妖刀じゃ。

地下に足を踏み入れただけでこやつらの気に当てられるのが普通じゃが…。

お前さんは珍しい」


皮膚が弛んで細くなった目で私を凝視する。


確かに凄い重圧だった。


押しつぶされそうな、感情が飲み込まれそうな。


でも私は……もっと暗い感情を知っている。