私は彼女を見て、頭を横に振った。
彼女はそんな私の反応に苦笑いを返した。
「気に入ったものが無かったのか?」
「どれもいい刀だと思うけど、ピンと来るものは無かった」
老人は私をじっと見つめてから、刀を布で巻いて片付けた。
それを持って中に入ると、戸の隙間から頭だけを覗かせた。
「梅はそこで待っておれ。
そこのお前さんは儂と来い」
彼女と顔を見合わせて、私は中に入った。
老人の後ろをついて行くと、地下の部屋に案内された。
外から見た感じではこんなに広くは思えなかったのに、随分な広さだった。
気になったのはそれだけでは無かった。
重い空気が体にまとわりつくようだった。