今度は刀匠の元へ行くことにした。
芹沢さんがいつも行くところがあるらしい。
とても気の難しい人だから刀を見せてもらえるかも分からないみたいだ。
「初めは芹沢さんが、『猫が転がり込んできた』って言いはるから、何のことか分からんかった」
思い出すようにクスクスと笑った。
───『赤毛の綺麗な顔立ちの女だ』
そう言って機嫌が良さそうに笑ったらしい。
あの人が機嫌が良さそうなのは想像するのが困難だった。
でも彼女の笑顔を見たら、きっと優しい笑顔だったんだろうと思った。
「何でもないような顔をして警戒心を解かないどころか、俺を怖がりもしない。
奴らにも懐いてるのか、様子を見ているのか。
嬉しそうにしたり、警戒したり、まるで自由な猫のような奴だったって」
よく笑う彼女の周りは花が咲いているみたいに見えた。
瞬きをしてもう一度見ると、そこに花は無かった。
新選組には不思議な人が多い。

