誰も信じないような目をしていた。
でも、彼女にだけは気を許しているようだった。
いつもより優しい声音の彼を、彼女は好いているんだろう。
「芹沢さん、あんなやから誤解されやすいみたいやけど、本当は優しい人やよ」
独特の話し方の彼女は、遠い目をしていた。
「この髪、うちは好きなんよ」
「…え」
綺麗な薄桃色の髪でも周りから見たら異色だ。
私は自分の髪を好きにはなれなかったけど、彼女は違った。
「うち、この色綺麗やと思う。
けど、他の人はそうは思わんかった。
……気味が悪いやって」
クスクスと笑いながらそう言った。
笑い飛ばすようなその微笑みに、風が少し暖かくなった気がした。
「親も気味悪がってん。
せやから、色んなところをたらい回しにされてきてんで。
やっと辿り着いたのがとある茶屋やった」

