折角だったのだけど、男装は止められないので髪を元に戻し、色が目立たないように外套を被る。
彼女は残念そうにしていたけど、町に出ると表情は楽しげなものに変わった。
「うち、女の子と一緒に町歩くんは初めてなんよ」
この町を歩くことすら初めての私よりもはしゃいでいる様子だった。
彼女は凄く大人っぽいが可愛らしい人だ。
それは見た目の話だったけど、中身まで可愛い人だと思った。
「あんた、名前は雨言うんやろ?」
「そうだけど」
芹沢鴨が私の話を彼女にしたんだろうか?
日常のことを人に話すような人には見えなかった。
「芹沢さんがあんたの髪見て、うちに話してくれたんよ。
緋い髪の女がいるって。
今日、うちを連れてきたんはあんたに紹介するつもりやったんやと思う」
衝撃の事実だった。
私の予想と全く同じだったから。

