「はぁ…はぁ…痛っ…」
無造作に生えている草木に身体中を切られつつ、足跡を走って追う。
あのおじさん、足速すぎん!? もう姿見えないし…。さっきカネコの能力っぽい雷が落ちたし。
戦いが起こってるのは確かだろう。
運転手のおじさんは猛ダッシュで走っていって、あっという間に姿が見えなくなった。走ると言っても人間のように腕をふり二足で駆けるのではなく、四足歩行でダッシュしていったのだ。―それこそ普通の人間ではなく、獣族のように。
人気のない林に私の息切れと、草葉の擦れる音だけが聞こえる。ここで誰かに見つかったら殺されるだろう。―私が一人だったら。でも違う。カネコとアヤがいる。アヤの安否ももちろん大切だが、その前にカネコと合流すればかなり安全になるだろう。カネコを助けるというかは、縋る― そんな心持ちだろうか。とにかくカネコの元に行かないと。そんな気がしてならなかった。
考え事をして突っ走ってたからか、地面から大きく飛び出ている木の根に気付かなかった。足をかけ盛大に転んだ私は、全身土まみれだ。立ち上がろうとついた腕には無数の切り傷が。
あー、もう!!! ここまで来たらバレるとかどうでもいい!!
ガシッと木の根を掴み、言う。
「―――凍れ!!」
パリンという高い音に葉や枝が落ちる音が右から、左からと聞こえてくる。
私、結構センスある!?
足跡を追うように草木を凍らせていく。まるで氷の道のように、冷凍は前へと進んでいく。歩く道こそちゃんと凍らせ、触れたら砕ける絶対零度。
やっと先が見えてきた…!!
林の木の数が次第に少なくなってきているのを感じた。
*****************
雷が落ちた時、それはカネコの能力だとすぐに分かった。
「お兄さん、マリちゃん…!!」
いてもたってもいられず、すぐ雷の発生場所に向かう。しかし目の前に立ちはだかったのは深い林だった。
「ここを通らないと行けないみたいだね~…」
ガサガサと進んでいく。虫や鳥の姿が無い分、だいぶ奇妙である。
「あれ?」
草をかき分けた先の草は、凍っていた。高さの不揃いな草木は倒され平らになっている。霜の上に足跡があり、それは先へと続いてる。
「氷の道……っ! マリちゃん!!」
たっと氷の道の上を駆ける。霜の下にもにうっすらと違う足跡が残っている。マリはこれを追っているようだ。
氷の道の気温は0度に近いだろう。白い息がふわふわと上がっていく。
「さむ…っ」
足の指は霜焼けになり、髪はパリパリと凍っている。
「もう寒いって感覚無くなっちゃったなぁ…」
自分に治癒魔法をかけながら呟く。凍りついた所は治っていくが、感覚は戻らない。
雷の落ちた所からは時々電流が見えたり、光ったりしている。
*****************
林を抜けると、目の前でカネコが獣二匹と戦っていた。一匹は虎のような獣。もう一匹は狼のような獣だった。おそらく後者がタクシーの運転手だろう。
獣達は噛み付こうとしてカネコに飛び乗る。それを上手くかわし指先から電流を獣の足元に流す。
ジュッと地面が焦げ、動きを止められる獣達。
「ガルルルル…」
『マジで怖いからー!!』
カネコは慌てた様子も無く冷静だが、獣の予測できない動きに目を凝らしている。
「カネコ――」
叫ぼうとして飛び出した。その気配に気付いたカネコがビックリした顔でこちらを見る。
その時。
『もうやめてよぉーーーっ!!!』
耳を劈くサスターナ君の叫びが辺りを震わせた。
無造作に生えている草木に身体中を切られつつ、足跡を走って追う。
あのおじさん、足速すぎん!? もう姿見えないし…。さっきカネコの能力っぽい雷が落ちたし。
戦いが起こってるのは確かだろう。
運転手のおじさんは猛ダッシュで走っていって、あっという間に姿が見えなくなった。走ると言っても人間のように腕をふり二足で駆けるのではなく、四足歩行でダッシュしていったのだ。―それこそ普通の人間ではなく、獣族のように。
人気のない林に私の息切れと、草葉の擦れる音だけが聞こえる。ここで誰かに見つかったら殺されるだろう。―私が一人だったら。でも違う。カネコとアヤがいる。アヤの安否ももちろん大切だが、その前にカネコと合流すればかなり安全になるだろう。カネコを助けるというかは、縋る― そんな心持ちだろうか。とにかくカネコの元に行かないと。そんな気がしてならなかった。
考え事をして突っ走ってたからか、地面から大きく飛び出ている木の根に気付かなかった。足をかけ盛大に転んだ私は、全身土まみれだ。立ち上がろうとついた腕には無数の切り傷が。
あー、もう!!! ここまで来たらバレるとかどうでもいい!!
ガシッと木の根を掴み、言う。
「―――凍れ!!」
パリンという高い音に葉や枝が落ちる音が右から、左からと聞こえてくる。
私、結構センスある!?
足跡を追うように草木を凍らせていく。まるで氷の道のように、冷凍は前へと進んでいく。歩く道こそちゃんと凍らせ、触れたら砕ける絶対零度。
やっと先が見えてきた…!!
林の木の数が次第に少なくなってきているのを感じた。
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雷が落ちた時、それはカネコの能力だとすぐに分かった。
「お兄さん、マリちゃん…!!」
いてもたってもいられず、すぐ雷の発生場所に向かう。しかし目の前に立ちはだかったのは深い林だった。
「ここを通らないと行けないみたいだね~…」
ガサガサと進んでいく。虫や鳥の姿が無い分、だいぶ奇妙である。
「あれ?」
草をかき分けた先の草は、凍っていた。高さの不揃いな草木は倒され平らになっている。霜の上に足跡があり、それは先へと続いてる。
「氷の道……っ! マリちゃん!!」
たっと氷の道の上を駆ける。霜の下にもにうっすらと違う足跡が残っている。マリはこれを追っているようだ。
氷の道の気温は0度に近いだろう。白い息がふわふわと上がっていく。
「さむ…っ」
足の指は霜焼けになり、髪はパリパリと凍っている。
「もう寒いって感覚無くなっちゃったなぁ…」
自分に治癒魔法をかけながら呟く。凍りついた所は治っていくが、感覚は戻らない。
雷の落ちた所からは時々電流が見えたり、光ったりしている。
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林を抜けると、目の前でカネコが獣二匹と戦っていた。一匹は虎のような獣。もう一匹は狼のような獣だった。おそらく後者がタクシーの運転手だろう。
獣達は噛み付こうとしてカネコに飛び乗る。それを上手くかわし指先から電流を獣の足元に流す。
ジュッと地面が焦げ、動きを止められる獣達。
「ガルルルル…」
『マジで怖いからー!!』
カネコは慌てた様子も無く冷静だが、獣の予測できない動きに目を凝らしている。
「カネコ――」
叫ぼうとして飛び出した。その気配に気付いたカネコがビックリした顔でこちらを見る。
その時。
『もうやめてよぉーーーっ!!!』
耳を劈くサスターナ君の叫びが辺りを震わせた。
