「キャッ!?」






いきなり手を引っ張られキスされた。














「ん、んん?!」
















久しぶりの莉斗のキス。








でも、それは甘いものではなくて…とても強引なものだった。













その後何分か、ずっと玄関で思うがままに唇を預けた。
















「…はぁはぁ。…り、莉斗。いきなり何?」












「…だ、だめだ。もう、だめだ……。」













「な、何が?」

















肩で息をしたまま莉斗に問う。
















莉斗、どうしちゃったの……?





















「愛美…、俺の愛美ぃぃぃぃっ…………!」
















「…………っっ!?」














「愛美が足りない…っ、一週間も何してた!俺のとこになんで来ないんだよぉ………っ」















いきなりの叫び声で戸惑ってしまった。








でも、私は必死に答える。














「い、行ったし、メールも電話もしたよ!」






やばい、莉斗が徐々に夢の莉斗に見えてくる。












……………り、莉斗っ!



















「電話…メール…。携帯に? 知らねぇよ…。携帯………持ってないし」
















「も、持ってないって、学校にあるの?」


















「知るかよ」












「り、莉斗は家にいなかったの?」












「居たけど、居たけどずっと2階にいたから……インターホンなんて知らねえよ…」












「う、うそぉ………」













「おい、俺の愛美。一週間も俺を捨てた罰だ。これから俺の部屋で、たっぷりお仕置きしてやるよ……………。」












「………っっ?!」














いきなり私の体が宙に浮いた。








莉斗に持ち上げられたんだ、私。












「り、莉斗!?」











「…黙れよ。お前は俺のもの。俺の言う通りにしてればいいんだよ…………」
















………………この後、莉斗は私を求めてきた。












私はそれに応じるしかなくて…。



















この夜は莉斗一色に染まっていた。




















…莉斗がそれでいつもみたいに戻るなら私はなんだってするよ。


















私には莉斗が夢の莉斗にだんだん近づいているように思えて、震えが止まらなかったけど。





















でも、それでも莉斗は次の日から昨日の取り乱したことが嘘のように普通に登校してきた。






















私はどの莉斗を、信じればいいの?



















本当の莉斗は、どれ…………………?