童顔の顔には似つかないような大人びた声。
決して低い訳では無いが、(むしろ男性では高いほうだと思われるが)冷静沈着で人を圧倒するような声だった。



その声を聞いた途端、悪寒が背中を走る。呼吸が一瞬止まる。筋肉がこわばる。彼の前では誰も動けなくなるような感覚に陥る。



話したいのに、動きたいのに、どうすることも出来ない。





圧倒的な恐怖。




オレは人生で初めてそれを経験した。








相変わらず、月は綺麗なままだった。