予測不能なケミストリー 【完結】

朝。
駅でリョウ君と待ち合わせる。

昨日と同じ、雨。

うす紫色の傘を持って立っていると
すっと手が伸びてきて、私の傘を奪う。

「あ! お、おはよう」
昨日の今日で、なんだか照れくさい。
でも、うれしい。

「おはよ」
朝から、さわやか笑顔のリョウ君。
私の傘を持って立っているリョウ君の隣に、
すっぽりとおさまる私。

恋をした私と
恋を知ったリョウ君。

はじめての、相合傘。

いつまでも、雨がふってますように。