「あ、ちょっと書類書いてもらってきます」
そう言って、養護の先生が会計に向かうのを見て、
「とっさに二人受け止めたの?」
私がもう一度聞くと、彼は困ったように笑う。
「しかも右手じゃないですか、
授業とか困るんじゃないの?」
そう尋ねると、左手でペンを持つフリをして、
「こっちでも一応書けるんだけどな……」
そう言うから、思わず目を丸くしてしまう。
「両利きなの?」
「ああ、小さい頃からしょっちゅう怪我してたからな
気付いたら、両方とも書けるようになってた」
「……それでも、その手だと、色々不便ですよね?」
そう尋ねると、そうだなあ、と一瞬頷きかけて、
「まあ、何とかなるから気にするな」
そう言って養護の先生が手を振っているのをみて、
私に手を振って、
「じゃあな、学校に戻るわ……」
そう言って私の元から立ち去る。
「そっかあ、右手が不自由じゃ色々面倒だよね……」
そう呟いて、後で帰りがけにでも寄ってみよう、
と、私は思いながら、仕事に戻った。
****************
帰り道、食事にもきっと困るだろうし、
と思って、普段の買い物の量を増やして、
家に戻って、普段より多めの食事を準備して、
「宮坂先生が怪我したみたいだから、
差し入れしてくるね……」
そう部活で遅くなる隼大にメモを残して、
私は彼の家に向かう。
もしかして『穂のか』で食事を済ませているかな……
そう思って、メールをすると、まだ家にいるという。
『じゃあ、家で待ってて』
とだけメールを入れて、私は彼の部屋へ急ぐ。
一人暮らしの男の人の家に、
こんな風に行ってしまうのは、
本当は軽はずみなのかもしれない。
それでも、怪我をしていると知っていれば、
こうやって世話を焼きたいような
そんな気分になってしまうのも確かで。
彼の部屋の前で呼び鈴を鳴らすと、
しばらくしてドアを開ける音がして、
彼が顔を出す。
「家にいろって、なんだ?」
そう言って彼が首をかしげるから、
私は手に持った、袋を持って、
「手を怪我しているんじゃ、
食事も作れないんでしょ?」
そう言って、一瞬躊躇う彼の横をすり抜けてしまう。
そう言って、養護の先生が会計に向かうのを見て、
「とっさに二人受け止めたの?」
私がもう一度聞くと、彼は困ったように笑う。
「しかも右手じゃないですか、
授業とか困るんじゃないの?」
そう尋ねると、左手でペンを持つフリをして、
「こっちでも一応書けるんだけどな……」
そう言うから、思わず目を丸くしてしまう。
「両利きなの?」
「ああ、小さい頃からしょっちゅう怪我してたからな
気付いたら、両方とも書けるようになってた」
「……それでも、その手だと、色々不便ですよね?」
そう尋ねると、そうだなあ、と一瞬頷きかけて、
「まあ、何とかなるから気にするな」
そう言って養護の先生が手を振っているのをみて、
私に手を振って、
「じゃあな、学校に戻るわ……」
そう言って私の元から立ち去る。
「そっかあ、右手が不自由じゃ色々面倒だよね……」
そう呟いて、後で帰りがけにでも寄ってみよう、
と、私は思いながら、仕事に戻った。
****************
帰り道、食事にもきっと困るだろうし、
と思って、普段の買い物の量を増やして、
家に戻って、普段より多めの食事を準備して、
「宮坂先生が怪我したみたいだから、
差し入れしてくるね……」
そう部活で遅くなる隼大にメモを残して、
私は彼の家に向かう。
もしかして『穂のか』で食事を済ませているかな……
そう思って、メールをすると、まだ家にいるという。
『じゃあ、家で待ってて』
とだけメールを入れて、私は彼の部屋へ急ぐ。
一人暮らしの男の人の家に、
こんな風に行ってしまうのは、
本当は軽はずみなのかもしれない。
それでも、怪我をしていると知っていれば、
こうやって世話を焼きたいような
そんな気分になってしまうのも確かで。
彼の部屋の前で呼び鈴を鳴らすと、
しばらくしてドアを開ける音がして、
彼が顔を出す。
「家にいろって、なんだ?」
そう言って彼が首をかしげるから、
私は手に持った、袋を持って、
「手を怪我しているんじゃ、
食事も作れないんでしょ?」
そう言って、一瞬躊躇う彼の横をすり抜けてしまう。
