【完】確信犯な彼 ≪番外編公開中≫

「……私、帰った方がいいんです……よね?」
気になるから、できたらその場に一緒に居たい、
でも、私にはそんな資格はないから、
そんな風に思いながらためらいつつ尋ねると、

「……今の彼女?」
そう男が私を足の先から頭のてっぺんまで、視線で
撫で上げるように見てから、そう尋ねる。
すっと、彼が、男と私の間に身体を入れるようにして立って、
「……コイツは関係ないからな、余計なこと話すなよ?」
そう言って、彼は振り返って私の顔を見て、

「わりぃなあ。どうやらコイツにつきあわねぇと、
他の人に迷惑をかけちまうみたいだ。
とりあえず、落ち着いたら説明する。
ちゃんと家まで送ってやるから、
今晩は、家に帰ってくれないか?」

そうはっきり言われてしまったら、
それ以上彼にお願いすることもできなくて。

「わかりました……」
そう言って、私はフワフワドキドキしていた気持ちに
すっかり水を差されたような感覚で、
そのあとは会話もなく、家路に向かった。
家の前で彼は小さく手を振って、
そのまま男と一緒に姿を消した。

私は彼の話が気になってしかたない。
でも、どうやら彼は私にその話を今、
聞かせてくれるつもりはないみたいで……。

なんだか、不穏な空気に、
胸がぎゅっと押しつぶされるようで、
私は、自分の体をぎゅっと抱きしめて、

「何も変わらないよ……」
そう呟いて、部屋に戻っていった。