突然電話が、部屋中に響いた。
それに引き戻され、受話器を耳に当てた。
お姉ちゃんからだった。
近々こっちに戻ってくるという内容の電話だった。
しばらく話して切ると、コーヒーとお皿を手にして一人席についた。
「いただきます」
丁度いい温かさになったコッペパンにいちごジャムを塗って、食べる。
あの頃はコッペパンのみだけだったから、パン本来の甘みしか分からなかった。
でも、はじめてパンを美味しいと感じた。
残り物のコッペパン。
今はコーヒーもミルクを混ぜなくても飲めるようになった。
今、先生は何してるんだろう。
元気かな。
まだ変わらない笑顔でいるかな。