新しい学校にも慣れてきた頃……



『眠っ……』


まだ朝焼けが眩しい時間に、私は既に学校へと向かっていた。

ふぁっ…と大きなあくびがもれる。

正直まだ眠たい気持ちが大きいが、早くも学校に向かっているのは、今日が私の日直当番だから。

いつも登下校は郁と一緒だったのに、今日は隣にいない。

なんだか変な感じがしながらも、


そんな日もあるよね


と思いながら、私は学校へと向かった。

郁が隣にいない登校。


少し近道しよう!


いつもとは違う道。

なぜか今日はそっちに行ってみたくなって、私は登校ルートを急遽変更した。


公園の花壇をまたいで、

草木が生い茂った場所をくぐり抜けたら……


ちょっとした広場がある。


子どもの頃、何度か遊んだ事のある場所だった。

ここを抜けたら確かすぐ学校につく。

便利だけど、めったに他の人が来ない場所。

郁だって知らない場所。

私だけの秘密基地…なーんて。


ここは昔と何も変わっていなかった。



『ふぅ。』



ここの空気が好きで私は大きく息をした。



♪~♪~~



え……………

突然聞こえてきた音色に、私の体がビクッと反応する。

こんな時間に誰が…?

気づけば足が勝手に音色の方へと向かっていた。


カサカサ………



『っ!』


草木をよけた先にいたのは…



朝日の似合う男の子だった。