確かに俺は犯罪者の息子だ。


だって親父は、たくさんお酒を飲んでは母と俺を傷つけ…

危ない薬にまで手を出し…

何の関係ない人まで傷つけたのだから。


親父は紛れもなく罪を犯した。

そして俺はその息子なのだ。



けど…………




『俺が何したって言うんだよ…。』


俺は、投げられた石で切った場所を公園の水で綺麗に洗った。

施設でこんな所を見られたら、またなんて言われるか分からない。

変に騒動になり、施設を変えられたら面倒だった。

あの施設は母が入院している病院に一番近いのに。

不当な扱いだったとしても、それに我慢するのは慣れていた。



『そろそろ行かなきゃ。』



ある程度傷口を水で消毒すると、俺は持ってきていたタオルで綺麗に拭きあげた。

綺麗にしておかないと母が心配する。

今日はやっと母に面会を許された日なのだから。


俺はそれだけが嬉しくて、病院へと急いだ。