「…男?」

目の前に映る男を思い出そうとするが、全然思い当たらない。


「どちら様ですか?」

疲れているせいもあって、俺は苛つきながら尋ねる。


(どうせ、何かの勧誘か何かだろ?こんな時間に…迷惑にも程がある。)

俺がそんな事を思って、直ぐにでも追い返してやろうと考えていると、



{…そこに、加住結衣居るだろ?}


モニター越しの男の口からは、予想もしなかった名前が出てきて、

結衣を含め、俺たち3人は固まった。


{…おいっ。聞こえてるんだろ?}

その声でハッと我に返った結衣が、モニターに近づいて驚愕する。