私が四歳の頃。
朝起きたら、誰もいなかった。
ただ、時計の針が一秒一秒、時間が経つのを
知らせている。
周りを見渡せば、昨日あったはずの、
まくらや服、生活必需品が
なくなっていた。
床に落ちている、通帳。
私に残されたのは、この通帳と、今かけてある一枚のタオルケットだけだった。
母親はどこにいったのだろうか。
どうせ男の所だろう。
明日には帰ってくるだろう。
そう思って信じていたのに、次の日になっても
帰ってこなかった。
お腹がすいたな…。なにも食べるものがなく
四歳だった私は、通帳でお金をおろすこともできなくて、外にでたらなにかしら食べ物があるだろうと思い、玄関の扉を開けた。