毎日だって好きって言うよ。



正直、覚えてないんだ。


あの頃のこと。


何も考えられないし、何もする気の起きない、


そんな日々だった。




そして、立ち直ることができないまま、高校の入学式を迎えることになる。


入学式っていったら、ドキドキワクワクするのが普通でしょ。


だけど、私はまるで違かった。



だってさ、


私バカだからさ、


別にこの高校に入って、勉強して、進学校ならでわのいい大学受験して…とか、そんなのないし。


花のJKライフを楽しみたい…とか、


そんなのもどうでも良かったんだよね。



私がこの高校を受験した理由はただ一つ。


お小遣いアップも、欲しかったゲーム機なんかも関係なくて…



“受験が終わったら、ばあちゃんと旅行に行く”



それだけが、私が頑張れたただ一つの理由だったのに…–––––





入学式に行く気力もなくて、だけど行かないわけにもいかなくて、


重たい足を引きずって私が学校に着いたのは、式が始まる直前だった。



校門の前。


校舎までの桜並木道にピンクの花びらが舞うのをぼうっと眺めながら、私は動けないでいた。