保健室の先生の言うことでは、ばあちゃんは定期的に行ってる同級生とのランチ会で隣町まで行ってるらしく、少し到着が遅くなるかもとのこと。
「おばあちゃんが来るまで、心細かったら言ってね?先生は保健室にずっといるから」と保健室の先生も私に気を使ってくれて、
だけど、何だかそれが余計に心細くなったこと、覚えてる。
隣のベッドには、もう一人私と同じように熱を出してしまった子がいて、
だけどその子は直ぐにお母さんが迎えに来てくれて、安心した表情で帰って行く。
ベッドの周りを囲うカーテンの隙間からそんな様子を見ながら、“何で私は…”だなんて、思ったりもした。
熱がある時ってさ、妙にメンタルが弱るんだよね。
だけど…–––
「水島さん!?随分早いですね!!そんなに息を切らして…」
「ははっ。先生お世話になりました。たまにしかない、孫の一大事なんでね。孫はここですかい?」
シャッ!という音と共に勢いよくカーテンが開いて、
そこには、汗だくで肩で息をしながら、
「陽伊代!待たせたねっ!」
そう言って、いつもの気の強そうな顔をクシャクシャにして笑うばあちゃんの姿があって…



