ずーんと沈んでいく気分。
今日になったばかりの時は、あんなに浮かれてたのに。
今はどちらかといえば、不安が私の心を大きく占めている。
「忘れちゃったのかなぁ…。私の誕生日」
「そもそも、好きでも何でもない奴の誕生日を覚えてろって方が無理な話じゃん?」
まぁ。そうなんだけど…。
所詮、私なんて先輩のファンの中の1人にしか過ぎないし?
むしろ、付き纏ってくる厄介な子と思われてるだろうし?
そんなの自分でも分かってるもん。
だけど、悠太先輩は約束してくれた。
わざわざラインまで登録してくれてさ。
悠太先輩は、出来ない約束なんてする人じゃない。
お姉ちゃんは、話しながら読んでいた雑誌をパタンと閉じると、ソファーから立ち上がる。
「陽伊代の言う“悠太先輩”がどんな奴かなんて知らないけどさ、あんたみたいにのめり込むタイプの猪突猛進女は、悪い男には絶好のオモチャだからね。くれぐれも気を付けなさいよ。
あ。そうそう。ハッピーバースデー♪」
そう言って背中を向けたまま片手を挙げて、リビングを出て行った。
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