「悠太先輩!今日も一段と眩しいですっ!」


「ピヨちゃんは、今日も一段と空気が読めないね」


「いやぁ、それほどでもぉ〜」


「褒めてないからね。」



先輩の口から出てくるのは、甘い見た目とは裏腹の棘のある言葉ばかり。


でも、それもそのはず。



だって私は…–––


「よくもまぁ。毎日飽きずに同じセリフが言えたもんだ」


呆れた笑みを浮かべながら、ゆっくりと立ち上がる先輩。



「毎度、フラれてるのにさぁ」



そう。


私はとっくのとうにフラれている身なのだ。


いや。

もっと言えば、昨日も一昨日もフラれてる。




悠太先輩に恋をした、入学式のあの日から早数ヶ月。


私は毎日欠かさず彼に告白をし、そして瞬く間に玉砕するという負のローテーションを繰り返していた。



え?

それなのに、なぜ今日も告白してるのかって?



それは、そこに悠太先輩がいるからさ。






ニッコリと微笑んだまま近付いてくる先輩の表情は、笑っているのに何だか怖い。



う…やばい。

今日も見事に突っ走り過ぎたらしい。